保湿しても乾燥 理由はNMF不足?化粧品研究者が教える製品選び

保湿しても乾燥 理由はNMF不足?化粧品研究者が教える製品選び

保湿しても肌が乾く。その原因は、NMF(天然保湿因子)の不足かもしれません。

化粧水をたっぷり重ねても、数時間後にはカサつく。そんな経験ありませんか?
実は、水分をただ「入れる」だけでは保湿は完成しません。水分を「しっかりキャッチして溜め込む力」──それがNMFの役割なんです。

この記事では、現役化粧品研究者・TakaoがNMFの仕組み・働き・化粧品での補い方を処方設計の視点から解説します。セラミドやヒアルロン酸との違いも整理するので、自分の肌に本当に必要な成分がわかるようになりますよ。

NMF(天然保湿因子)とは?肌のうるおいを守る3要素

NMFの正体──角質層の「水分キャッチャー&タンク」

NMFの成分組成

NMF(Natural Moisturizing Factor/天然保湿因子)は、肌の角質層の中に存在する保湿成分の総称です。

組成としては、約40%をアミノ酸類(セリン・グリシン・アラニンなど)が占めており、残りはPCA-Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)、乳酸、尿素、ミネラル塩類から構成されています。(右円グラフ参照)これらが、角質層内で、水分をキャッチして角質層内に留めておくタンクのような働きをしています。

「肌の保湿」と聞くと、化粧水で水分を入れ込むイメージが強いですよね。でも肌のうるおいは、実は3つの要素の絶妙なチームワークで成り立っています。

  • NMF──水分をつかまえてキープする(角質細胞の中)
  • 細胞間脂質(セラミドなど)──水分を挟み込み、蓋をして逃がさない(細胞と細胞の間)
  • 皮脂膜──肌表面を覆い、蒸発やダメージを防ぐ(肌の一番外側)

つまり、NMFはうるおいの「タンク」。セラミドが「蓋」で、皮脂膜が「梱包材」。この3つのどれが欠けても、保湿は成り立たないんです。

図:肌の保湿を支える3要素(NMF・細胞間脂質・皮脂膜)

NMFが不足するとどうなる?乾燥→バリア低下の悪循環

肌に生まれつき備わっているNMFの量は、加齢や過度の洗顔、紫外線、ストレスの影響で減少することがわかっています。

これまで、化粧品研究者として、実際に100人を超える方の肌を直接見て、カウンセリングをしてきた経験からいうと、「化粧水をたっぷり使ってるのにすぐに乾燥してしまう」という人の多くは、NMFが不足している可能性が高いです。

NMFが足りない状態を、私はよく「潤いタンクに穴があいてる」と表現しています。いくら水を注いでも、いくら高価な成分を注いでも、全部タンクの底から漏れてしまう。

また、NMFの減少によって、角質層に貯めておける水分の量が少なくなると、肌は透明感を失い、くすんだ印象の肌になってしまいます。乾燥によって、皮膚が引っ張られることで、毛穴も目立ちやすくなるので、NMFの減少はお肌にとって死活問題なのです。

NMFを補う化粧品って?処方設計者が解説する成分の見方

成分表示で見るべきポイント──アミノ酸・PCA-Na・酵母エキス

NMFを補うことを謳う化粧品は、たくさんありますが、化粧品研究者の立場から言われてもらうと、正直、中身は超ピンキリです!
成分表示のポイントを抑えると、自分に適したNMFアイテムが選べるようになるはずです。

NMFケアを取り入れたいときは、成分表示を見て、以下の中から、バランスよく複数種類の成分が含まれているものをおすすめします。

一般名称 化粧品成分表示名称 備考
 アミノ酸系 セリン、グリシン、アラニン、プロリン、アルギニンなど NMFの40%は様々なアミノ酸で構成されている。

PCA-Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)

PCA-Na NMFの約12%を占めている重要成分。

発酵・酵母エキス系

〇〇発酵液、〇〇発酵エキス SK-Ⅱは酵母エキスを使用。「ピテラ」は酵母の名前。

尿素

尿素 NMFの約7%を占めるが、高濃度では刺激になるため注意。

ポイントは、これら(尿素除く)が成分表示の上位に来ているか。化粧品の全成分表示は基本的に配合量の多い順に並んでいるので、後ろの方にちょこっと入っているだけでは効果は期待しにくいんです(参考:日本化粧品工業会「化粧品の全成分表示について」)
また、特に、発酵エキス系は、仮に上位表示されていても、成分の品質や働きは、発酵方法や過程によって、著しく異なるので、あまりに安価な製品には、手を出さない方が良いよとお伝えしています。

以前、私も、携わっていた発酵コスメの商品開発の際に、市場調査として、発酵エキスが高配合されている様々な製品の「アミノ酸濃度」を計測してみたことがあるのですが、その数値にはかなり大きなばらつきがあり、衝撃を受けました。

酵母・発酵スキンケアが注目される理由

NMFを化粧品で補うアプローチには、大きく分けて、合成アミノ酸を単体あるいは複合で配合する方法と、酵母・発酵エキスのように天然のアミノ酸バランスをまるごと使う方法があります。

どちらもNMFケアとして正しいとは思いますが、私は、処方設計を行う身として、後者──酵母由来のアプローチの方が理にかなっていると考えています。

理由はシンプルで、酵母・発酵エキスには肌のNMFに近いアミノ酸バランスが含まれているから。単一のアミノ酸を足すよりも、NMFの組成に近い形で補った方が、肌本来の保湿設計に沿ったケアになると考えます(参考:化粧品成分オンライン「天然保湿因子の基本情報」)

サプリメントだけで栄養素を補給するよりも、自然由来の食材からバランスよく栄養を摂取する方が良いとされているのと、似ているかもしれませんね!

セラミド・ヒアルロン酸とNMFはどう使い分ける?

3つの保湿成分の役割の違い

「セラミド、NMF、ヒアルロン酸、結局どれがいいの?」というような質問をDMでいただくことがあるのですが、答えは「役割が違う」です。

どれも、人間が生まれながらに持っている成分だけど、役割を意識すると、スキンケアでの取り入れ方のヒントになりますよ!

ポイント
NMF=水分をキャッチして溜める場所(角質細胞の中・水系成分)
セラミド=水分が飛ばないように挟み込む蓋(細胞と細胞の間・油脂系成分)
ヒアルロン酸=溜めた水分を長く持続させる保留剤(真皮層・水系成分)
※ヒアルロン酸は真皮層では肌の弾力などに寄与しますが、化粧品に配合するヒアルロン酸は角層内の水分を持続させる保湿の役割しか担えません。

たとえるなら、NMFはタンク、セラミドは蓋、ヒアルロン酸は保留剤。それぞれ、保湿に寄与することは一緒でも、アプローチの仕方がまったく違うんです!

だから「どれか1つだけ」ではなく、自分の肌に足りないものを見極めて補うのが本質的なスキンケア。これがLOGOSKIN.の「パーソナライズ」の考え方でもあります。

とはいえ、うるおいタンクであるNMFは、スキンケアを考える上で、全ての根幹となる成分で、そもそもこのタンクがなければ、セラミドもヒアルロン酸も力を発揮できないので、
性別・年齢・肌質を問わず、万人にとって非常に重要な成分です!

自分の肌に足りない成分を見極めるコツ

乾燥のタイプによって、不足している成分は異なります。

  • 化粧水が肌に入らない・くすみ → NMF不足(水分をキャッチする力が弱い)
  • 肌の粉吹き または テカリ → セラミド不足(肌内部の油分が足りない)

ただ、自分で見極めるのが難しいという方も多いですよね。LOGOSKIN.の公式LINEでは「不足成分スキンチェック」ができるので、気になる方は活用してみてください。

化粧品研究者の私がNMFエッセンスで選んだ処方の理由

私が開発したLOGOSKIN.では、NMFピュアエッセンスというアイテムを作りました。

天然の化粧水と言われる『白樺樹液』で、酵母『ガラクトミセス』を培養した、こだわりの酵母エキスをなんと90%以上配合し、さらにPCA-Naと尿素を組み合わせた処方です。NMFの構成をリアルに再現することにこだわりました。

使い方はシンプルで、お手持ちの化粧水やベースローションに1〜3滴混ぜるだけ。自分の肌状態に合わせて量を調整できるのがLOGOSKIN.のパーソナライズの考え方です。

これが、1,000アイテム以上のOEM処方を見てきた私が辿り着いた、スキンケアの最適解です!

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よくある質問

Q. NMFは化粧品で補えるの?
NMFを構成するアミノ酸やPCA-Na、尿素などを外から補うことで、角質層の水分保持力をサポートできます。ただし、肌自身がNMFを作る力を維持するために、洗いすぎや紫外線ダメージも同時に見直しておくことが欠かせません。
Q. NMFとセラミド、どっちを先に使えばいい?
NMF(水分をキャッチ)→ セラミド(水分を挟み込んでキープ)の順がおすすめです。水分を捕まえてから壁で囲む、というイメージです。
Q. NMFが減る原因は加齢だけ?
加齢以外にも、過度な洗顔・紫外線ダメージ・ストレス・睡眠不足などでNMFは減少します。特に洗いすぎはNMFを洗い流してしまうため、洗顔の見直しも重要です。
Q. NMF配合の化粧品は敏感肌でも使える?
NMFの主成分であるアミノ酸は肌にもともと存在する成分なので、比較的刺激は少ないです。ただし、尿素が高濃度で配合されている製品は刺激を感じる場合もあるので、パッチテストをおすすめします。
Q. NMFとアミノ酸化粧水は同じもの?
完全に同じではありません。NMFはアミノ酸だけでなく、PCA-Na・尿素・ミネラル塩類など複数の成分で構成されています。アミノ酸化粧水はNMFの一部を補うイメージです。NMFに近いバランスで補うなら、酵母・発酵エキスやPCA-Naなど複合的な成分を含む製品が適しています。

まとめ

肌の保湿は「入れる」だけでは完成しません。NMFで水分をキャッチし、セラミドで挟み込み、皮脂膜でフタをする。この3つのバランスが整ったときに、本当のうるおいが実現します。

LOGOSKIN.では、NMFを補いたい方向けにNMFピュアエッセンスをご用意しています。お好きな化粧水やベースローションに1〜3滴混ぜるだけで始められます。

NMF不足でお悩みの方へ、3つの方法でサポートします。

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著者情報

畑田 貴生|LOGOSKIN. 創業者・化粧品研究者
化粧品検定1級・特級コスメコンシェルジュ。
化粧品・調香の両領域でキャリアを積み、原料選定・処方設計・商品企画・薬事対応・販売促進まで一貫して担当。
スキンケア・健康食品分野でのOEM開発実績は1,000アイテム以上。
化粧品原料商社および化粧品製造会社の外部研究員を兼務。
現在は自社ブランドLOGOSKIN.の運営と、化粧品・健康食品領域の商品開発・薬事コンサルティングに従事。

編集方針

実務経験と化粧品研究の知見をもとに、成分理解を深めることを目的に構成しています。特定の効果効能を保証するものではありません。監修記事ではなく、実務経験に基づく一次情報の発信として執筆しています。

参考資料

  • 化粧品成分オンライン「天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor)の基本情報・配合目的・安全性」 - https://cosmetic-ingredients.org/humectant/natural-moisturizing-factor/
  • 日本化粧品技術者会(SCCJ)「天然保湿因子 [natural moisturizing factor]」 - https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/1126
  • 日本化粧品工業会「保湿とエモリエント」 - https://www.jcia.org/user/public/knowledge/glossary/moisturizing
  • 資生堂「肌の天然保湿因子NMF産生メカニズムを解明」 - https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000001259/1259_n9q22_jp.pdf
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