ビタミンEの7000倍⁈ 抗酸化成分 エルゴチオネイン|研究者が徹底解説
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「エイジングケアを始めたいけど、ビタミンCやレチノールは刺激が強そう…」
「抗酸化って大事と聞くけど、結局どの成分を選べばいいの?」
そんなふうに迷っている方に、まだほとんど知られていないとんでもない成分を紹介させてください。
エルゴチオネイン──ビタミンEの約7,000倍、グルタチオンの最大30倍ともいわれる抗酸化力を持ちながら、刺激は少ない。
美容業界でも、ごく一部の成分マニアだけが注目している、いわば「知る人ぞ知る」成分です。
この記事では、現役化粧品研究者・Takaoがエルゴチオネインの効果や処方設計の裏側を解説します。
なぜ肌は老化するのか──活性酸素と抗酸化ケアの基本
「年齢とともにくすみが増えた」「ハリがなくなってきた」──その根本にあるのが、活性酸素(フリーラジカル)による肌へのダメージです。
活性酸素が肌に与えるダメージ
紫外線・大気汚染・ストレス・睡眠不足などがきっかけで、体内に活性酸素が増えすぎた状態になります。
この活性酸素がコラーゲンやエラスチンを攻撃することで、
- ハリ・弾力の低下
- くすみ・肌トーンのムラ
- 乾燥・キメの乱れ
…といった「肌の老化サイン」が現れてきます。

だから、エイジングケアには「抗酸化成分」で活性酸素の悪影響をブロックすることが重要なんです。
ただ、ビタミンCは効果が高く手軽に入手できる反面、刺激が出やすく、酸化して変色しやすいという課題があります。
そこで今、処方設計者の間で密かに注目されているのが、エルゴチオネインという成分です。
エルゴチオネインが「次世代の抗酸化成分」と呼ばれる理由
①実は100年以上の歴史がある成分
エルゴチオネインは「最新成分」と思われがちですが、1909年にライ麦から発見された、実は100年以上の歴史を持つ成分です。
長い間、その機能が謎に包まれていましたが、2005年にヒト細胞でエルゴチオネインを選択的に取り込む輸送体(OCTN-1)が発見されたことをきっかけに、世界中で研究が一気に加速しました(参考:Markova NG et al., 2009)。
正直、私が原料商社と仕事をしていた頃から「これは来る」と思っていた成分です。
当時は一般の方にほとんど知られていなかったけど、近年になって化粧品・サプリ・長寿研究の分野で少しずつ注目が集まってきています。
②グルタチオンの最大30倍──ケタ違いの抗酸化力
エルゴチオネインの最大の特徴は、その圧倒的な抗酸化力です。
他の抗酸化成分との比較
- ビタミンEの約7,000倍の抗酸化能(参考:農林水産省「キノコ由来抗酸化物質エルゴチオネインの畜水産業用資材化の検討」株式会社北研・東京海洋大学)
- グルタチオン(体内で最も多い抗酸化物質)の約3〜30倍の抗酸化力(参考:NAGASE Group資料)
- 熱・酸に対して非常に安定しており、製品中でも劣化しにくい
- 酸素存在下でも壊れにくい──これが他の抗酸化成分との大きな違い
ここが重要なポイントです。
ビタミンCをはじめ多くの抗酸化成分は、「自身が身代わりとなって酸化されることで肌を守る」仕組みです。
つまり、逆に言えば、酸素に触れるだけでどんどん劣化が進みやすい成分でもある。
一方、エルゴチオネインは酸素と反応しにくく、酸素が存在する環境でも長期にわたって安定を保てるという特性を持っています(参考:Liu HM et al., Molecules 2023)。
化粧品として製品に配合したときの安定性が高い──これは処方設計者として非常に重要な点です。
③肌との相性が抜群──OCTN-1が「迎えに来る」成分
先ほど触れたOCTN-1(エルゴチオネイン専用の取り込み輸送体)は、皮膚の角質細胞にも存在することが確認されています。
多くの抗酸化成分は「肌の表面に塗って守る」だけですが、エルゴチオネインは肌細胞が積極的に取り込もうとする仕組みを持つという点で、他とは一線を画します(参考:Markova NG et al., 2009)。
④くすみ・ハリ・うるおい──3方向からのアプローチ
美容成分として確認されているはたらきをまとめると、
- 肌水分量のサポート:エルゴチオネイン含有ヒラタケを12週間摂取した試験(ランダム化二重盲検)で、8週目から肌水分量が有意に高く維持されたことが確認されている(参考:Hanayama et al., Front Med 2024)
- 肌トーン・くすみへのアプローチ:チロシナーゼ(メラニン生成に関わる酵素)の活性を阻害する作用が報告されており、肌の明るさをサポートする可能性がある
- ハリ・弾力のサポート:エラスターゼ(エラスチンを分解する酵素)の活性を阻害することで、肌のハリを守るはたらきが期待されている
1,000アイテム以上の処方を見てきた経験から言うと、これだけ多方向にアプローチできて、かつ安定性も安全性も高い抗酸化成分はなかなかありません。
「長寿ビタミン」候補として加齢研究の第一人者・ブルース・エイムズ博士が名前を挙げているほどの成分です──それが、まだ美容業界では知られていない。
これは正直、チャンスだと思っています。
エルゴチオネイン配合美容液GG+を作った理由
エルゴチオネイン配合の美容液を選ぶとき、まず知っておいてほしいことがあります。
エルゴチオネイン単体の大量抽出は、実はとても難しい。
石油由来の有機合成や、きのこからの直接抽出では安価に安定的に製造することができません(参考:NAGASE Group資料)。
だから「エルゴチオネイン配合」と書いてあっても、ごく微量しか入っていない製品がほとんどなんです。
正直、これを知ったとき「じゃあどうする?」と相当悩みました。
私がLOGOSKIN.のGG+ピュアエッセンスを作るとき選んだ答えが、「エルゴチオネインを豊富に含む糀甘酒エキスをたっぷり配合する」という方法でした。
甘酒は発酵の過程でエルゴチオネインを豊富に蓄積します。
しかもそこには、エルゴチオネイン以外のアミノ酸・保湿成分・栄養成分も丸ごと含まれている。
単体で処方化するより、まるごとの複合成分として取り入れる方が、処方設計として理にかなっていると判断しました。
さらに、グリセリルグルコシド(αGG)と組み合わせることで、保湿・ハリ・肌トーンへの相乗効果を狙っています。
αGGはコメ由来の保湿成分で、肌の水分チャンネル(アクアポリン)に着目した成分。
エルゴチオネインの抗酸化×αGGの保湿、この組み合わせが私のたどり着いた最適解です。
使い方はシンプルに、いつもの化粧水に1〜3滴混ぜるだけ。
香料・増粘料なしで、敏感肌の方にもお使いいただけます。
よくある質問
- Q. エルゴチオネインはどんな肌質に合いますか?
- 刺激性がほとんどなく、乾燥肌・敏感肌・脂性肌を問わず使いやすい成分です。毒性が認められていないことも研究で確認されており、「ビタミンCやレチノールで刺激を感じやすい」「マイルドにエイジングケアしたい」という方に特に向いています。
- Q. エルゴチオネインは体内で作れないって本当ですか?
- 本当です。エルゴチオネインを自ら合成できるのはきのこなど一部の菌類だけで、人間は食事や化粧品から取り入れるしかありません。さらに加齢とともに体内の蓄積量が低下することも分かっているため、意識的に補給することが重要です。
- Q. エルゴチオネインはどのくらいで変化を感じますか?
- 臨床試験では8〜12週(約2〜3ヶ月)で肌水分量の改善が確認されています。即効性より長期的な肌質の底上げを目指す成分として考えてください。毎日の継続がポイントです。
- Q. ビタミンCとエルゴチオネイン、一緒に使えますか?
- はい、相性は良いです。ビタミンCが「攻めの抗酸化」なら、エルゴチオネインは「安定した守りの抗酸化」と考えると分かりやすいかもしれません。ビタミンCで刺激を感じやすい方は、まずエルゴチオネイン単体で慣らしてから組み合わせるのがおすすめです。
- Q. きのこアレルギーがあっても使えますか?
- 化粧品に配合されるエルゴチオネインは精製された成分で、きのこのアレルギーの原因となるタンパク質とは異なります。ただし心配な方はパッチテストを行うか、皮膚科医に相談した上でご使用ください。
まとめ
エルゴチオネインは、1909年発見・100年以上の研究歴を持つきのこ由来の希少アミノ酸です。
グルタチオンの最大30倍ともいわれる抗酸化力・酸素存在下での高い安定性・肌水分量サポート・くすみとハリへのアプローチ、これだけの特長を持ちながら、刺激も少ない。
まだ知名度は高くないですが、私が個人的に一番注目している成分の一つです。美容賢者の方にはぜひ、一度手に取ってほしい成分です。
くすみ・ハリ・うるおい不足でお悩みの方へ、3つの方法でサポートします。
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化粧品検定1級・特級コスメコンシェルジュ。
化粧品・調香の両領域でキャリアを積み、原料選定・処方設計・商品企画・薬事対応・販売促進まで一貫して担当。
スキンケア・健康食品分野でのOEM開発実績は1,000アイテム以上。
化粧品原料商社および化粧品製造会社の外部研究員を兼務。
現在は自社ブランドLOGOSKIN.の運営と、化粧品・健康食品領域の商品開発・薬事コンサルティングに従事。
編集方針
実務経験と化粧品研究の知見をもとに、成分理解を深めることを目的に構成しています。特定の効果効能を保証するものではありません。監修記事ではなく、実務経験に基づく一次情報の発信として執筆しています。
参考資料
- Liu HM et al.「Safe and Effective Antioxidant: The Biological Mechanism and Potential Pathways of Ergothioneine in the Skin」Molecules. 2023;28(4):1648 - https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9967237/
- Hanayama M et al.「Effects of an ergothioneine-rich Pleurotus sp. on skin moisturizing functions and facial conditions: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial」Front Med (Lausanne). 2024;11:1396783 - https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11182000/
- Markova NG et al.「Skin cells and tissue are capable of using L-ergothioneine as an integral component of their antioxidant defense system」Free Radic Biol Med. 2009;46(8):1168-1176 - https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19439218/
- NAGASEグループ「化粧品・食品などの幅広い分野で期待 ─エルゴチオネインを知る─」 - https://www.nagase.com/jp/ja/services/development/ergothioneine
- 農林水産省「キノコ由来抗酸化物質エルゴチオネインの畜水産業用資材化の検討」株式会社北研・国立大学法人東京海洋大学 - https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kankyo/seisaku/s_midorimizu/pdf/h24s20.pdf