天然保湿因子(NMF)を増やす方法|乾燥が続く原因と成分ケア3選

天然保湿因子(NMF)を増やす方法|乾燥が続く原因と成分ケア3選

化粧水やクリームを重ねても、夕方にはまた乾く。そんなときは、塗る量だけでなく、角層で水分を抱えるNMF(天然保湿因子)と、水分を逃がしにくくするセラミドの両方を整理すると、選ぶ成分が見えやすくなります。

結論からいうと、化粧品だけで肌自身のNMF産生を「増やす」とは断定できません。ただし、洗いすぎなどでNMFを失いにくくし、NMFを構成するアミノ酸・PCA-Na・尿素などの保湿成分を角層へ補うことはできます。

この記事では、化粧品研究者・処方設計者の視点から、NMFの役割、減りやすい条件、成分表示の見方、セラミドやヒアルロン酸との違いまで整理します。

NMF(天然保湿因子)とは何ですか?

NMF(Natural Moisturizing Factor/天然保湿因子)は、角層の角質細胞内に存在する、水になじみやすい成分の集まりです。遊離アミノ酸を中心に、PCA、乳酸、尿素、無機塩などで構成され、角層が水分を抱えることに関わります。

NMFの多くは、表皮で作られるフィラグリンというタンパク質が分解される過程で生じます。日比野らの研究でも、フィラグリン由来のペプチドからNMFが作られる経路と、NMF量・皮膚の水分保持との関係が報告されています(日比野 2013)。

私はNMFを、説明上よく「角層の潤いタンク」と表現します。水分を注ぐだけでなく、その水分を抱える側も必要だと理解しやすいからです。ただし、NMFだけで保湿が完結するわけではありません。

NMF・セラミド・ヒアルロン酸はどう違いますか?

3つとも保湿に関係しますが、存在する場所と役割が異なります。

成分 主な位置・特徴 化粧品での考え方
NMF 角質細胞内で水分を抱える成分群 アミノ酸、PCA-Na、尿素などで角層にうるおいを与える
セラミド 角質細胞間脂質の主要成分 角層の水分を保ち、外部刺激から肌を守る働きを支える
ヒアルロン酸 体内にも存在する高分子の保水成分 化粧品では主に角層・肌表面へうるおいを与えて保つ

化粧水をつけてもすぐ乾く感覚があるならNMF系成分、粉吹きや季節によるゆらぎも気になるならセラミド、肌表面のしっとり感を足したいならヒアルロン酸、というように考えると整理しやすくなります。肌状態は一つの成分だけで決まらないため、症状だけで不足成分を断定はできません。

セラミドとの違いを詳しく知りたい方は、セラミドの効果と選び方も参考にしてください。

NMFが減りやすいのはどんなときですか?

洗いすぎ・長時間の入浴

NMFは水になじみやすい成分です。研究では、温水への浸漬によって角層中のアミノ酸が失われることが示されています(Shah et al. 2017)。熱いお湯、長時間の洗浄、強い摩擦を重ねるほどよいわけではありません。

加齢や肌状態の影響

NMF産生に関わる酵素活性は加齢した皮膚で低下したという報告があります。また、フィラグリンやNMFが少ない状態は乾燥や一部の皮膚疾患とも関係します。ただし、乾燥の原因はNMFだけではないため、強い赤み・かゆみ・ひび割れが続く場合は化粧品だけで対応せず、皮膚科へ相談してください。

NMFを増やす・補うスキンケアは何をすればいいですか?

1. まず、今あるNMFを失いにくくする

洗顔は必要以上に長くせず、タオルでこすらない。ピーリングやスクラブを重ねすぎない。地味ですが、保湿成分を足す前に見直したい基本です。

2. NMFを構成する保湿成分を角層へ補う

化粧品では、アミノ酸、PCA-Na、尿素、乳酸Naなどが候補になります。これらはNMFそのものを再生させる薬ではなく、角層にうるおいを与えて保つための保湿成分です。

3. セラミドなど、水分を逃がしにくくする成分も組み合わせる

NMF系成分で水分を抱える側を補っても、水分が逃げやすい状態では乾燥感が残ることがあります。その場合は、セラミドなど角層のバリア機能を支える成分との併用が選択肢になります。

NMF化粧品は成分表示のどこを見ればいいですか?

まず確認したいのは、アミノ酸、PCA-Na、尿素、乳酸Naなど、NMFの構成に関係する成分です。酵母・発酵由来原料にもアミノ酸などが含まれる場合がありますが、原料名だけで中身や濃度まで同じとは限りません。

もう一つ注意したいのが「原液100%」という表現です。原液100%は、その原料を薄めず使ったという意味で使われることがありますが、目的成分の純分が100%という意味とは限りません。正直、原液という言葉だけでは比較できないため、目的成分、配合目的、純分濃度の開示、全成分の組み合わせを確認する方が実用的です。

全成分表示は重要な手がかりですが、発酵方法や原料規格、各成分の正確な配合量までは通常読み取れません。表示だけで効果の強さを断定しないことも大切です。

LOGOSKIN.のNMFピュアエッセンスはなぜこの処方ですか?

私が処方設計で重視したのは、単一成分だけを足すのではなく、NMFの構成を参考に複数の保湿成分を組み合わせることでした。

NMFピュアエッセンスは、アミノ酸を含む酵母由来の発酵液を94%以上配合し、PCA-Naと尿素を組み合わせています。これは商品仕様に基づく配合情報であり、肌自身のNMF産生を94%増やすという意味ではありません。

使い方は、ベースローションまたは手持ちの化粧水に1〜3滴混ぜるだけです。最初は少量から始め、乾燥感や使用感に合わせて調整してください。

NMFピュアエッセンスの処方・全成分を見る

よくある質問

Q. 化粧品でNMFそのものを増やせますか?
化粧品で肌自身のNMF産生を増やすとは断定できません。洗いすぎを避け、アミノ酸・PCA-Na・尿素などの保湿成分で角層にうるおいを与える、という二つに分けて考えるのが正確です。
Q. NMFとセラミドは併用できますか?
併用できます。NMF系成分は角質細胞内で水分を抱える仕組みを参考にした保湿、セラミドは角質細胞間脂質を補って水分保持とバリア機能を支える成分です。乾燥の状態に応じて組み合わせます。
Q. NMF化粧水と美容液はどちらを選べばいいですか?
製品名より、配合成分と使い方で選びます。普段の化粧水で使用感に満足しているなら、NMF系成分を含む美容液を少量加える方法もあります。刺激や違和感があれば使用を中止してください。

まとめ

NMFは角層で水分を抱えることに関わる成分群です。保湿しても乾くときは、塗る量だけを増やすのではなく、洗いすぎを避ける、NMFを構成する保湿成分を補う、セラミドなど水分を逃がしにくくする成分も検討する、という順で整理すると選びやすくなります。

自分に必要な成分を一人で判断しにくい場合は、無料LINE診断も利用できます。

著者情報

化粧品研究者 畑田貴生

畑田 貴生|LOGOSKIN. 創業者・化粧品研究者
化粧品検定1級・特級コスメコンシェルジュ。化粧品・調香の両領域でキャリアを積み、原料選定・処方設計・商品企画・薬事対応・販売促進まで一貫して担当。スキンケア・健康食品分野でのOEM開発実績は1,000アイテム以上。化粧品原料商社および化粧品製造会社の外部研究員を兼務。

編集方針

化粧品研究者本人の台本・商品資料・実務経験を基にAIが構成と下書きを支援し、公開前に内容と表現を確認しています。成分理解を目的とした情報であり、特定の効果効能を保証するものではありません。

参考資料

  • 日比野利彦「天然保湿因子(NMF)産生酵素の性質とバリア機能」日本化粧品技術者会誌 47巻3号(2013)— https://doi.org/10.5107/sccj.47.216
  • Shah D, et al. “Design, synthesis and characterization of linear unnatural amino acids for skin moisturization.” Int J Cosmet Sci. 2017;39(1):72–82. — https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5244679/
  • 日本化粧品工業会「成分表示」— https://www.jcia.org/user/business/guideline/ingredientlabelling
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